2013.7.24
DevLOVEの市谷さん(@papanda)、上野さん(@jun116)をお迎えし、会社の勉強会として「ロールプレイング インセプションデッキ」を開催しました。
社内で開催したかった
会社柄、大きなプロジェクトの一員として開発に従事することが多いです。
決まった要件がすでにあり、それを設計して実装してテストして、という感じです。顧客との接点もなかなかありません。言われたことをやる、という働き方です。
大きなプロジェクトにずっといるならそれでもよいのでしょうが、そんな訳にもいきません。(大きなプロジェクトは減ってきていますし…)
インセプションデッキはプロジェクト全体をつかむための良いツールです。
このツールを使って「このプロジェクトはそもそも何のために?」とか「顧客はどういう理由でこのシステム(機能)が必要なの?」といった視点を持つきっかけにしたいと思いました。
このようなことを市谷さん、上野さんに伝え、「社内の勉強会」としてDevLOVEの力をお借りしワークショップを開催することができました。
あ、僕は是非このワークショップを体験したかったので、普通の参加者として参加です。
インセプションデッキのおさらい
インセプションデッキを知らない人も多かったので、市谷さんから改めてデッキの紹介をしてもらいました。
いい話だなー、と思ったのは以下。
- 手ぶらでいくと火傷するで(by @nawoto)
- たたき台を作っていく、顧客に事前に聞くことを伝えておく、などの段取りが必要
- いつ作るのかも重要(予算どりの前、プロジェクト開始前など)。不可逆な状況でデッキを作っても何もできなくなってしまう
- 顧客への最初のヒアリングの時に簡易的なデッキを作りながら話を進める、という使い方もある
- 質問力が重要(アクションラーニング)
使い方、タイミングも様々です。市谷さんの経験談などよい話が聴けました。
グループワークでデッキの作成
ここからグループワークでデッキを作っていくのですが、ワークしながら気づいた点などを挙げていきます。
なぜ我われはここにいるのか
- このクエスチョンは「誰のミッションなのか」によりレイヤーが違う
- 顧客の事業のミッション、プロジェクトのミッション、システムのミッション、開発チームのミッションではそれぞれ捉え方が違う
- 異なるレイヤーはそれぞれで整理するとよい
我われは開発者なので、ついつい「システムのミッション」、「開発チームのミッション」に思考が傾いてしまいがちです。
顧客が本当に実現しようとしていることは何なのかを強く意識すべきだと感じました。
エレベーターピッチ
「なぜ我われはここにいるのか」との整合性は意識しなくちゃいけません。作ったものは放置しがちになるので注意ですね。
このような単純なフォーマットに落とすのは難しいなと感じました。
ちゃんと考えてないと曖昧な表現になってしまいます。曖昧に書くと誤解を招くのでダメですね。
トレードオフスライダー
メンバー間で言葉の定義が違っていました。
「品質」って内部品質のこと?外部品質のこと?っていうあたりとか、使いやすさって品質?スコープ?ってあたりとか。
プロジェクトによって定義は違いそうなので、認識合わせの場としても有効だと思いました。
振り返り
色々と気づきがありました。僕のグループの振り返りで出たKPT。
良かったこと
- 開発側も顧客視点がわかるいいツール
- チームの考えを伝えることができる
- 顧客の「思い」が見える
- ヒアリングのテンプレートしていいかも
課題や問題と思うこと
- 実際のプロジェクトだとトレードオフスライダーは全部MAXになりそう…
- 顧客も1枚岩ではないので、本当の要望を出しているのは誰か、を見つけるのに苦労しそう(でもとても大事)
現場でやってみたいこと
- 目的や原点を常に意識して作業したい
- 他のスライドも作ってみたい
- 顧客のビジネスを理解できそう
- やらないことリストは現場で定義しておくといいかも
まとめ
参加者から「今までは"Why"を気にせず作業していたことが多いので、これを機に変えていきたい」という感想がありました。
「現場で一部でも導入してみます」という声もありました。
とても嬉しい感想です。こういう感想をもらうとまた何かやろう、とやる気が湧いてきますね。
最後に
ご協力いただいたDevLOVEの市谷さん(@papanda)、上野さん(@jun116)、ありがとうございました。