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「エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方」の気になったところメモ

「エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方」を読んで気になったところをメモ。

エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方

エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方

3つのチームフェーズ

P17でチームを以下の3つのフェーズに分けています。それぞれでリーダーが取るべき行動が変わってくる、という話。

  • サバイバルモード:指揮統制型のリーダーシップタイプ
  • 学習モード:コーチ型のリーダーシップタイプ
  • 自己組織化モード:ファシリテーター型のリーダーシップタイプ

チームの成熟度としては、サバイバル→学習→自己組織化です。
チームを作ったら最初はサバイバルモードでしょうか?準備や環境の制約(予算とか契約とか体制とか)によってはサバイバルモードじゃないところからも始められそうです。
ですが、ここで大事なのはどのモードではどのような振る舞いをしてチームを導くか。
「状況によって~」に尽きるのですがこのようにわかりやすい分類はチームメンバーに説明するには良いと思いました。

サバイバルモード中毒

P32では「サバイバルモード中毒」という言葉が出てきます。
目先の安心に手を出しがちで負のサイクルから抜け出す行動がとれない状況でしょうか。
負のサイクルを断ち切る行動と決断が求められるのかと思います。

これあるあるだなぁー、と思いながらも自分にはあまり当てはまらなくて、
炎上中は仕方ないにしても消火しかかったらすぐに予防策というか改善案を考えたいタイプなんです。
とか自分で思ってる人が実はサバイバルモード中毒だったりして。
気を付けたいですね。

なぜやっているのかを忘れない

P37での言葉。
「学び、常に改善していくというチームの権利のために戦う存在」でなければならない。
そのためいはリスクもある、と。

自分の存在意義を忘れてはいけない。
チームリーダーでありながら組織では他の役割も色々ある中で自分のミッションに整合性がとれていることが大事なのかな。

仕事の対価

P38にドスンと響く言葉。

あなたの報酬はチームがプロフェッショナルとして物事を行えるようにすることに対して支払われている。

チームのリーダーはこういうことなんだと思う。正しくあれ。

挑戦的課題

P78 課題やTryに対して「あなたはそれに関して何をするつもりですか?」と問う。
コミットメント言語を得るため。
(「~します」を引き出す)

ふりかえりがもやっとしたり、無責任な発言を避けるため、メンバーからコミットメントを引き出す。
これは実際難しそうだけど、ファシリテーターとはこういうものだと思うのでしっかりやっていきたい。

6つの影響力

P104 に6つの影響力の話がある。
メンバーにチャレンジしてもらう、学習してもらう際の条件がどうなっているか。

  • 個人レベルの能力:個人のスキルや知識があるか
  • 個人レベルのモチベーション:正しい行動をとる自制をもっているか
  • 社会レベルの能力:(危機的状況の時に)組織の誰かが必要な支援をしてくれるか
  • 社会レベルのモチベーション:組織や人々が正しい行動を促しているか(または間違った行動を抑止しているか)
  • 環境レベルの能力:施設や予算などで正しい行動を促す側面があるか
  • 環境レベルのモチベーション:正しい行動に対する報酬はあるか

正しい行動をするには、個人と組織と環境の条件が大事。それを整えるのがリーダー。

チームリーダーの責務

P144 トヨタのチーフエンジニアの責任と資質が記載されていた。

  • 顧客の声
  • アーキテクチャ
  • 卓越したエンジニアリングスキル
  • 熱心な教師、モチベーター、管理監督者、そして辛抱強い聞き手
  • 卓越したコミュニケーター
  • 常に手を汚す準備ができている

まさに理想のリーダー像。
自分の強みをしっかりと現場に活かし、自分に足りないものは補う仕組みを意識しなければこうなれない。
例えば、リーダーは雑用がメインとなり「常に手を汚す準備」ができないほど技術力が落ちてしまってはいけない。
リーダーも学び、スキルを落とさない仕組みが必要なんだと思う。

作業の割り振りの話

P157 にメンバーへの作業の割り振り方の話があった。

  • 楽しくない仕事を引き受けるのに消極的な「不平を言うメンバー」
  • ひたむきに仕事に件名に取り組んでくれる「信頼できるメンバー」

「不平を言うメンバー」これよくいる...(笑)
均等に作業を割り振る、というアドバイスが記載されている。
が、もちろん時と場合によるのだと思う。
「不平を言うメンバー」にも課題や意識を変えることで改善が期待できる人とまったく改善が期待できない人がいる。
改善が期待できない人はおそらくプロジェクトやプロダクトの成功に興味がない人(技術だけに興味があるとか、自己顕示欲を示したいだけ、とか)。
チームや組織の成功とズレているメンバーはなるべく早めにチームから離れたほうがよい。

チーム内の評価基準

P221にチーム内の評価基準を「速」した話があった。(速い行動を評価するということらしい)
この「速」がよいかは置いておいて、評価される基準が共有できていて、皆のリアクションが見える仕組みが良いな、と思った。


まとめ

気になった箇所をメモしただけなのでまとめというのもアレですが、気付きが多かった本なのでたまに読み返してみたいと思います。