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〜昨日の今日とは一味二味違うBlog〜

JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level テストマネージャ 受験記録

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2018-8-25にJSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level テストマネージャを受験し、合格しました。
この資格試験は情報が少なく、手探りでの受験となったこともあり、試験までの対策や試験の傾向など覚えている範囲で記録しておきたいと思います。
何かの役に立てば幸いです。

公式の情報

公式HP
JSTQB認定テスト技術者資格

今回受験したのはAdvanced Levelです。Foundation Levelに合格していることが受験条件になります。
Foundation Levelに合格したのは10年ほど前、JSTQBができた直後だったと思います。受けといてよかったー。

受験に必要なもの

事前に書類審査があり、以下が必要になります。

  • Foundation Level認定証番号
    • Foundation Levelの認定証(いわゆる合格証書)のコピーが必要です
    • 10年前の合格証を探すのに苦労した
    • 再発行もしてくれる
  • 身分証明書の写し
    • 普通に免許証でOK
  • 業務経歴申請書
    • 公式HPから雛形をダウンロードして経歴を書く
    • よくある経歴書と大きく変わりません。記述サンプルがあるので書き方は迷わないはず
「業務経歴の問合せ先」について

サンプルに記載方法の説明があるのですが、

・記入した業務に対して、原則としてすべての承認者を記入してください
・どうしても承認者が記入できない場合は、その理由を記載してください

とあります。
私は転職を数回しており、前職の当時の責任者に連絡が取れる自信がない...。(先方が退職してる可能性も...)
ということでJSTQBに問合せをしたところ、以下の記載で問題ないとのことでした。
「転職したため承認する者と連絡が取れないため氏名は未記入としています」
過去の会社の欄は社名と代表電話番号のみを記載し、氏名は未記入としました。
現職の経歴には現職の上長に押印してもらいました。

申し込みからの受験の流れ

WEB申し込み⇒受験料振り込み⇒書類送付⇒(書類審査)⇒受験票が届く⇒受験
って感じです。
詳しくは公式HPに載ってます。

勉強したこと

シラバス

シラバス(学習事項)
そもそも日本では、Advanced Level試験の学習を公式にサポートする資料が存在しない、とのことなのでシラバスを読むしかないです。

過去問

公式HPから過去問題の資料がダウンロードできます。
「こんな感じの問題がでるのか」が把握できます。
問題数が多ければ対策として有効なんですが仕方なし。

公式のサンプル問題

サンプル問題

公式の過去問セミナーの動画(Youtube

概要
www.youtube.com

過去問題解説
www.youtube.com


どう勉強したか

出題傾向

過去問セミナーの概要資料に載っていました。

  • 各章に学習の目的(LO)が明示されている
  • 学習の目的(LO)単位で何問出題するか定義されている
  • Kレベル(知識レベル)ごとに配点基準が決まっている

これらを把握してシラバスを読むことにしました。

覚えておいたほうがよい箇所

シラバスでリスト形式、箇条書きになっている箇所は怪しいです。受験の対策としては鉄板です。
以下の章はしっかり読み込みました。

  • 1. テストプロセス
  • 1.3 テスト分析
  • 1.8 テスト終了作業
  • 2.2.1 テストステークホルダについて
  • 2.2.2 その他のソフトウェア開発ライフサイクル活動と成果物
  • 2.2.5 経験ベースのテストのマネジメント
  • 2.3.1 リスクベースドテスト
  • 2.3.1.1 リスク識別
  • 2.3.1.2 リスクアセスメント
  • 2.3.1.3 リスク軽減
  • 2.3.4 テストプロセスにおけるテストの優先度付けと工数の割り当て
  • 2.4 テストドキュメントとその他の成果物
  • 2.4.1 テストポリシー
  • 2.4.2 テスト戦略
  • 2.4.3 マスターテスト計画
  • 2.4.4 レベルテスト計画
  • 2.4.5 プロジェクトリスクマネジメント
  • 2.5 テストの見積り
  • 2.6 テストメトリクスの定義および使用
  • 2.7 テストのビジネスバリュー
  • 2.9 業界標準適用のマネジメント
    • 各標準が何を目的としているものなのか、適用範囲はどのあたりかをしっかり理解する
  • 3.2 マネジメントレビューと監査
  • 3.4 レビューのためのメトリクス
  • 3.5 公式レビューのマネジメント
  • 4.2.1 欠陥ワークフローと状態
  • 4.4 欠陥レポート情報によるプロセス能力の評価
  • 5.2 テスト改善プロセス
  • 5.3 テストプロセスの改善
  • 5.4 TMMiによるテストプロセスの改善
  • 5.5 TPI Nextによるテストプロセスの改善
  • 5.6 CTPによるテストプロセスの改善
  • 5.7 STEPによるテストプロセスの改善
    • 各手法の特徴、目的をしっかり理解する
  • 6.3 ツールのライフサイクル
  • 7.2 個人のスキル
  • 7.4 組織内におけるテストの適合
  • 7.6 コミュニケーション

...多い。ほとんど全部じゃないか疑惑...。

雑感

テスト時間が長い

3時間集中するのは大変です。
終わったらヘトヘトでした。

暗記勝負の問題があったのは少し残念

現場の状況や事情によっては正解っぽい選択肢が2~3あってどれが正解か迷った問題がいくつかありました。
たぶんシラバス通りに書いてあることが正解なんだと思いますが、記憶勝負になっているのはあまり本質的じゃないと感じました。
そりゃ覚えていたほうがよいのですが(覚えるの苦手なので...)、少しテンション下がります。

最後に

久しぶりに資格取得にチャレンジしましたが、とてもためになりました。
体系的な知識は普段から勉強すべきですね。

サッカーの戦術トレンドから考えるソフトウェア開発チームのマネジメント

2018 FIFA ワールドカップが開幕しました。

戦術やプレーモデルが高度化し、個人においても高い戦術理解度が求められる昨今、代表チームにおいても戦術をしっかり仕込んだチームが優位性を持つようになってきました。
(準決勝でドイツがブラジルに7-1で勝ったのは戦術レベルでの優位性が大きかったと言われています)
それから4年を経て、さらなる戦術の高度化を具現化したチームが多くなると言われているのが2018 ロシア大会です。

そんなワールドカップを観つつ、サッカーの戦術トレンドとソフトウェア開発チームのマネジメントについて考えてみます。

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サッカーの戦術トレンド「ポジショナルプレー」

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー

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昨今のサッカーにおける戦術を理解するにはこの本をお勧めします。

「ポジショナルプレー」とは、プレイヤーはあらかじめ決まったポジションのタスクをこなすのではく、局面においてより適切なポジションとタスクを流動的に遂行するという考え方です。
チェスでは古くから使われてた概念のようです。
サッカーの世界ではかのヨハン・クライフが世界を席巻した「トータルフットボール」をより進化させたものと言えるでしょう。

「ポジショナルプレー」における主要な原則

ポジショナルプレーを考えるにあたりいくつか重要な概念がありますが、この場では以下に注目します。

  • 3つの優位性(数的優位性、位置的優位性、質的優位性)
  • プレイヤーのタスクの変化
  • シームレスな攻守の切り替え
  • コーチとしてのマネジメント

3つの優位性

数的優位性
サッカー ボールの周囲に多くの人数を配置すること
ソフトウェア開発 開発に必要なチームを構築すること / 重要な局面にリソースを集中させること

ソフトウェア開発では十分な人数を揃えること、限られたリソースを必要な局面に集中させることにあたります。
基本的な考えであり、3つの中では重要度が低いものです。これを実施することに意味はありますがこれだけでは圧倒的に優位性は作り出せません。

位置的優位性
サッカー 相手プレイヤーの隙間/死角/逆サイドなど戦略的に相手チームが嫌がる位置に人を配置すること
ソフトウェア開発 ソフトウェアの各レイヤーに適切に人を配置すること

ソフトウェア開発では開発工程、アーキテクチャ的なレイヤー、サブシステムなど様々な分割ができます。
数的優位性として人を集めてワーワーするだけではなく、
リスクのある箇所に適切に人を配置することで強固なチームとなり、より良いシステムとなることでしょう。

質的優位性
サッカー 選手のクオリティにより目的達成(得点/守備)の確率を上げること
ソフトウェア開発 技術レベルの高いメンバーによる高品質の実現

最後に質的優位性です。
数的優位性、位置的優位性を実現した上で、仕事の成功率をより高めるための考え方です。
ソフトウェア開発では、質の違いを生み出せる優秀なエンジニアにどこで戦ってもらうのか、という考え方となると思います。

プレイヤーのタスクの変化

ポジショナルプレーの概念においては、決まった固定的なポジションのタスクのみをこなすことはありません。
目的(勝利)を達成するために、その局面において適切なポジションに移動し適切なプレーを選択し続けなければいけません。

ソフトウェア開発では、アジャイル開発手法において「クロスファンクショナルチーム」(マルチファンクショナルチームとも言います)が提言されています。

センターフォワードが守備をしなくてもよかった時代は終わり、味方と連動して守備を行うことが必須なりました。ディフェンスの選手も足元のテクニックやパス技術が要求される時代です。(最近はゴールキーパーにも要求されます)

ソフトウェア開発でも、仕様を考える/プログラムを書く/テストをする、という役割分担ではなくその局面で適切な働きをすることで目的(ビジネスの成功)を目指す必要があるでしょう。
(エンジニアがマーケティングをサポートしたり、営業担当者がデータ分析を行うなど)

もちろんサッカーでもソフトウェア開発でも得手不得手があるのでチームとしてどうなっているべきかに注目すべきです。

シームレスな攻守の切り替え

サッカーでは攻めと守りの区切りがありません。
統計上、ボールを奪ってからの速攻で多くのゴールが達成されており、攻撃と守備の切り替えが重要であることがわかります。
勝利のためには攻撃が重要ですが、同時に失点のリスクを減らすことも求められます。
攻撃的な戦略とリスク低減は一見相反している概念ですが、バルセロナの6秒ルール(ボールを失ってから6秒間激しくボールを奪い返しにかかる)、最近話題の偽サイドバックなどが実装方法として有名です。
いずれも攻撃の戦略が守備の戦略(リスク低減)に繋がっています。

ソフトウェア開発では「DevOps」が該当する概念でしょうか。
「開発」と「保守運用」を分ける/分けないに是非はありますが、流動的なビジネス環境において分業化・固定化することによるリスクは少なからずありそうです。

コーチとしてのマネジメント

最後にコーチとしてチームをどうマネジメントするのか、を考えてみます。
ポジショナルプレーの先駆者であるグアルディオラは、
「前線のアタッカーに良い(クリーンな)ボールを届ける戦術をチームに与えること」
をコーチの重要な仕事の1つとしています。
得点の確率を高めるために3つの優位性、とりわけ質的優位性を考えてクオリティの高いアタッカーに良い仕事をさせる。そこから逆算してチームとしてどう動くべきかを仕込むのです。
"仕込む"ことが重要な仕事です。ただ言葉で説明する、試合中に叫ぶだけでは選手が実践できるとは思えません。
狙い通りのプレーができるように、試合の映像を見せ、狙い通りのプレーの再現性を高める練習メニューを考案し実践します。

ソフトウェア開発におけるマネージャーはどう考えるべきでしょうか。

  • チーム・組織の目標とは何か
  • 目標を達成するための戦略は何か
  • どのような動きをチームに要求するか(再現させたい動きは何か)

上記を考えるために、
インセプションデッキ、OKR、ふりかえりなどのフレームワークを活用してチームに良い戦略を与えるのがマネージャーの仕事と言えるでしょう。

まとめ

サッカーにおけるトータルフットボール/ゾーンプレス/ポジショナルプレーという戦術トレンドの潮流と、ソフトウェア開発におけるアジャイル開発/DevOpsといった流れには「変化への対応」という共通点があると思いこの記事を書いてみました。

情報技術の発達とグローバル化によりサッカーにおいてもソフトウェア開発(ビジネス)においても状況の変化に対応できる組織やチームが求められます。
そのようなチームを実現するため、個人には技術だけではなく状況を把握できる知性も備えなくてはいけないでしょう。

2017年のふりかえりと2018年の目標的なもの

2018年です。平成30年
2017年のふりかえりと2018年の過ごし方を考えます。

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2017年はどうだったのか

様々な記録を付けています。2017年はどうだったのか。

運動

  • フットサル/サッカーをやった回数:25回(-11)
  • ジムで運動した回数:7回(±0)
  • ランニングした回数:12回(+1)
  • ゴルフの練習/コースに行った回数:16回(+14)

計60回(+4)でした。ほぼ週1のペース。
会社のゴルフ部に参加するようになり、ゴルフの練習が多くなりました。
フットサル/サッカーはたまに参加していたチームの活動がなくなった影響で回数が減りました。やむなし。

  • サッカー/フットサル観戦:10回(+1)
    • フットサル観戦が多かったです。体育館は快適です。
  • 筋トレ
    • たまにジムで。家でちょこちょこと筋トレを始めました。家では腕立てと腹筋・背筋くらいですが。
    • 少しは引き締まったきがするので継続して少しづつやります。

読書:18冊(-7)

  • サッカー/運動関連:6冊
  • IT・マネジメント関連:3冊
  • その他ビジネス書:6冊
  • 小説:3冊

月に1.5冊ペースでした。
サッカーの本が多かった。IT関連を読まなくなってしまっている。
もうちょっと色々探してみる動きが必要かなぁ。

仕事はどうだったのか

2017年は目の前の仕事に追われることが多い傾向にありました。
マネジメントという名で雑用ばかりしていることが多く、日々が消費されていきます。
組織の都合と自分のやりたいことを考えながら走ろうと思います。
中途半端が一番よくないと気が付いたので、多少は自分のやりたいことを推すイメージです。

コミュニティ

フットサルは継続して参加するチームを完全に1つに絞りました。
(と言っても2つめのチームに参加するのは年3~4回程度だったのですが)
継続できるチーム、自分のペースでプレーできるチームが素晴らしいなぁ、と思います。

IT関連のコミュニティにはすっかり参加しない1年でした。
普段の業務が忙しいことで足が遠のいたのですが、参加したのは3~4回程度だったと思います。
ただ、参加するとやっぱり刺激とアイデアを貰えるのでもっと参加していきたいな、と。

その他

  • 鼻の手術
    • 鼻中隔矯正術という手術を8月に受けた。
    • 1週間の入院、全身麻酔を初めて経験した。
    • 鼻の通りがとてつもなくよくなった。
    • ただ、イビキは改善していない...。

2017年をどうするか

Keep

  • 運動は週1回ペースをキープしたい。
  • サッカー/フットサル観戦もキープ。
  • 読書のペースは最低限キープしたい。もうちょっと読む。
    • IT関連の書籍を読む。実践的なもののほうがよいかも。
    • ちょっと仏教近辺に興味があるのでそのあたりも。

Try

  • 仕事
    • 自分の価値、スキル・経験を高めることを最優先とする。(雑用で時間を消費しない)
    • 身に着けるべきスキルを意識する。
  • コミュニティ
    • 地元フットサルチームの代表に就任しました。生涯スポーツを体現するチームが理想です。個人とチームが「継続」できるチーム。
    • IT関連のコミュニティには積極的に参加する。仕事で関わっている技術が内容にしたい。
    • そのためには業務で忙殺されないようにする。断捨離。
  • 個人ふりかえり

まとめ

仕事に踊らされた感があった2017年。
2018年もう少し焦点をしぼった活動をしようと思います。

フットサルの名将ヘスス・カンデラス氏に学ぶリーダーシップ

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“Futsal no Centro Olímpico” by UnB Agência is licensed under CC BY 2.0

ひょんなことからフットサルの名将であるヘスス カンデラス氏の話を聞く機会に恵まれました。 スポーツチームの話ではあるのですが、マネジメントやリーダーシップはシステム開発にも通じるところが多分にあったので備忘録もかねて記事にします。

講演のテーマ

マネジメントやリーダーシップ、勝ち続ける組織とはどのようなものなのか、 というテーマでの講演でした。 様々なチームで監督として成功を勝ち取ってきたカンデラス氏がどのように物事を捉えているのかを垣間見ることができました。

以下、印象に残った話を挙げていきます。

測定せよ

マネジメント、評価、育成などなど様々な話を聞いたのですが、どの話にも一貫して「測定」という要素が入ってました。 何をするにせよ測定をすることが大前提とのことです。 スポーツなので結果(得点など)や身体的な数値(最近は走行距離や心拍数が計測できるシステムがあります)はもちろんですが、リーダーシップに関しても評価のためには計測するそうです。 どのような評価軸なのか聞きそびれてしまいました。残念。

マネージャーの役割

マネージャーの役割として以下の3つを挙げていました。

  • 専門家であること
  • チームを育成する人であること
  • メッセージを発信する人であること

専門家であること、というのはシステム開発の現場でも同じでしょう。 (たまにプログラムやネットワークのこと全然わからないマネージャーもいますが)

評価

カンデラス氏は評価を競争力リーダーシップの掛け合わせでするそうです。 競争力とは個人のスキルと近い考え方です。ただしそれが組織の競争力となっていることが前提です。 それぞれを3段階で評価し、マネージャーは以下の図の黄色の場所にいることが必要とのこと。

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フレームワーク

講演の随所に思考フレームワークが登場していました。 SWOT,SMARTを使って目標設定と評価をしているとのこと。

フレームワークは知識として知ってるけど、現場で使うべき時に使っていないことが多いので、ハッとさせられました。

リーダーシップ

「リーダーシップとは組織に影響を与えること」と何度もおっしゃってました。 個人の性格や能力によって体現できるリーダーシップは異なるとも。 フットサルやサッカーで言えば運動量や頑張りで味方を鼓舞したり、闘志を全面に出すこと。ムードを盛り上げことなど様々です。 良い行動を起こし、組織に良い影響を与えることこそリーダーシップである、と。

勝ち続ける組織とは

  • 小さなカイゼンを重ねること
  • 常に変化をすること

勝利・成功を得るためには同じことをやっていてはダメで、常にカイゼンを繰り返すことが大事と何度も何度もおっしゃってました。

カイゼン

とにかくカイゼンを重ねることだ大事、と何度も強調していたカンデラス氏ですが、TPS(トヨタ生産方式)に影響を受けたとのことです。

私が愛してやまないアジャイル開発もTPSを源流としており、様々な業界が繋がっていることを再認識することができました。

素晴らしい講演とその機会を与えてくれたカンデラス氏と株式会社クリアソンに感謝です。 Gracias Candelas !!

システム開発における「認知・判断・実行」とは

この記事はiRidge Advent Calendar 2017の17日目のエントリーです。 (Qiitaにも同じもの書いてます)

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子供(10歳/小学校4年生)が少年サッカーをやっていることもあり、たまにサッカーの育成に関する書籍や記事読むのですが、最近目についた「認知・判断・実行」について書いてみます。

「認知・判断・実行」

サッカーでは「認知・判断・実行」という言葉があります。

プレー1つひとつの局面で「認知・判断・実行」があり、「止める・蹴る・運ぶ」という個人のスキル(テクニック)とは別次元で重要な要素と言われています。

スキルが高い(ボールの扱いが上手い)だけではダメで、正しい状況判断がなければ有効なプレーにはならないよ、ということですね。 例えば、ドリブルが超絶上手いプレーヤーでも相手が密集した地帯に突っ込んでいってもボールを取られるだけで、逆にカウンターをくらいピンチを招くかもしれません。 個人スキルが高くてもチームを勝利に導くプレーをしているとは言い難いです。

この「認知・判断・実行」はサッカーでは重要な概念とされ、最近では育成年代(少年サッカー)でこの能力をいかに身に着けることができるのか、が活発に議論されています。

本エントリーのテーマ

私はサッカー選手でも指導者でもないので、本エントリーでは システム開発での「認知・判断・実行」 とはどういうことなのかを考えてみます。

認知

サッカーではプレーの局面で状況を把握できるか、という文脈になります。 例えば敵と味方の位置、スコア、時間帯、自分の能力(テクニック/フィジカル)などが認知の要素でしょうか。 システム開発での認知と言うと、開発プロジェクト自体の情報リアルタイムでのプロジェクト状況というように分類できそうです。

開発プロジェクト自体の情報

  • システム構成はどのようなものか
  • 関連するシステムは何か
  • ステークホルダーは誰か
  • ステークホルダーがこのシステムに感じている価値は何か
  • チーム、組織はどのように振る舞うべきか(サービスレベルや契約による制約がどのようなものか)

リアルタイムでのプロジェクト状況

  • 開発の状況(工程、進捗)
  • プロジェクトの今後の雲行きはどうか
  • 周り(チームメンバー)の状況はどうか

判断

認知できている状況から選択肢をいくつか持つことができ、それをどのように判断するかが重要です。 サッカーではどのようなプレーを選択するのかということになります。 ドリブルをするのかパスをするのか。それともシュートか。左右前後どちらに進むべきか。

システム開発では、

  • 設計や実装の方式をどのようにすべきか
  • 要件や仕様をどのようにすべきか
  • テストはどこまでやるのか

などなど予算と期間が有限なのですべての側面で判断をしていくことになります。 誰も使わない機能を作るべきではないですし、過剰な品質もまたしかり。 バグは決してゼロにはならないのでやろうと思えばテストを無限にすることができます。 (費用対効果を忘れてしまったかのように品質強化を執拗に求めるマネージャーもいますし)

プロジェクトはトレードオフとの闘いです。 判断をするために認知ができていることが重要ですね。 サッカーでは認知と判断のことを「個人戦術」と呼んだりします。 刻一刻と状況が変化するサッカーのゲーム中において、常に認知と判断を繰り返し、有効なプレーをし続けられる選手が良い選手です。 システム開発でも認知と判断がしっかりできることが重要ですね。

実行

認知と判断が正しければあとは実行するだけですが、実行する際にも考慮すべき要素があるでしょう。 サッカーは足でボール扱うという性質上、ミスのスポーツと言われています。実行にはミスが伴うことが多いため、ミスを少なくする努力とミスした場合のことを考えます。 システム開発ではも同じように、

  • 実行に伴うリスクは何か
  • そのリスクが顕在化した時のアクションは何か

を考える必要があるでしょう。 システム開発でもミスはつきものですし。

まとめ

サッカーでもシステム開発でも同じように状況を理解し、適切な判断をすることが求められます。 いくらテクニック(技術力)が高くとも、認知と判断で拙いようではチームを勝利に十分貢献できないでしょう。

サッカーでは練習やトレーニングマッチ(練習試合)で能力の向上を行いますが、システム開発の現場での練習となるのはどういうもなのでしょうか。

そのあたりはチームビルディングや人材育成の話になってくると思うので別の機会に考えたいと思います。

「エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方」の気になったところメモ

「エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方」を読んで気になったところをメモ。

エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方

エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方

3つのチームフェーズ

P17でチームを以下の3つのフェーズに分けています。それぞれでリーダーが取るべき行動が変わってくる、という話。

  • サバイバルモード:指揮統制型のリーダーシップタイプ
  • 学習モード:コーチ型のリーダーシップタイプ
  • 自己組織化モード:ファシリテーター型のリーダーシップタイプ

チームの成熟度としては、サバイバル→学習→自己組織化です。
チームを作ったら最初はサバイバルモードでしょうか?準備や環境の制約(予算とか契約とか体制とか)によってはサバイバルモードじゃないところからも始められそうです。
ですが、ここで大事なのはどのモードではどのような振る舞いをしてチームを導くか。
「状況によって~」に尽きるのですがこのようにわかりやすい分類はチームメンバーに説明するには良いと思いました。

サバイバルモード中毒

P32では「サバイバルモード中毒」という言葉が出てきます。
目先の安心に手を出しがちで負のサイクルから抜け出す行動がとれない状況でしょうか。
負のサイクルを断ち切る行動と決断が求められるのかと思います。

これあるあるだなぁー、と思いながらも自分にはあまり当てはまらなくて、
炎上中は仕方ないにしても消火しかかったらすぐに予防策というか改善案を考えたいタイプなんです。
とか自分で思ってる人が実はサバイバルモード中毒だったりして。
気を付けたいですね。

なぜやっているのかを忘れない

P37での言葉。
「学び、常に改善していくというチームの権利のために戦う存在」でなければならない。
そのためいはリスクもある、と。

自分の存在意義を忘れてはいけない。
チームリーダーでありながら組織では他の役割も色々ある中で自分のミッションに整合性がとれていることが大事なのかな。

仕事の対価

P38にドスンと響く言葉。

あなたの報酬はチームがプロフェッショナルとして物事を行えるようにすることに対して支払われている。

チームのリーダーはこういうことなんだと思う。正しくあれ。

挑戦的課題

P78 課題やTryに対して「あなたはそれに関して何をするつもりですか?」と問う。
コミットメント言語を得るため。
(「~します」を引き出す)

ふりかえりがもやっとしたり、無責任な発言を避けるため、メンバーからコミットメントを引き出す。
これは実際難しそうだけど、ファシリテーターとはこういうものだと思うのでしっかりやっていきたい。

6つの影響力

P104 に6つの影響力の話がある。
メンバーにチャレンジしてもらう、学習してもらう際の条件がどうなっているか。

  • 個人レベルの能力:個人のスキルや知識があるか
  • 個人レベルのモチベーション:正しい行動をとる自制をもっているか
  • 社会レベルの能力:(危機的状況の時に)組織の誰かが必要な支援をしてくれるか
  • 社会レベルのモチベーション:組織や人々が正しい行動を促しているか(または間違った行動を抑止しているか)
  • 環境レベルの能力:施設や予算などで正しい行動を促す側面があるか
  • 環境レベルのモチベーション:正しい行動に対する報酬はあるか

正しい行動をするには、個人と組織と環境の条件が大事。それを整えるのがリーダー。

チームリーダーの責務

P144 トヨタのチーフエンジニアの責任と資質が記載されていた。

  • 顧客の声
  • アーキテクチャ
  • 卓越したエンジニアリングスキル
  • 熱心な教師、モチベーター、管理監督者、そして辛抱強い聞き手
  • 卓越したコミュニケーター
  • 常に手を汚す準備ができている

まさに理想のリーダー像。
自分の強みをしっかりと現場に活かし、自分に足りないものは補う仕組みを意識しなければこうなれない。
例えば、リーダーは雑用がメインとなり「常に手を汚す準備」ができないほど技術力が落ちてしまってはいけない。
リーダーも学び、スキルを落とさない仕組みが必要なんだと思う。

作業の割り振りの話

P157 にメンバーへの作業の割り振り方の話があった。

  • 楽しくない仕事を引き受けるのに消極的な「不平を言うメンバー」
  • ひたむきに仕事に件名に取り組んでくれる「信頼できるメンバー」

「不平を言うメンバー」これよくいる...(笑)
均等に作業を割り振る、というアドバイスが記載されている。
が、もちろん時と場合によるのだと思う。
「不平を言うメンバー」にも課題や意識を変えることで改善が期待できる人とまったく改善が期待できない人がいる。
改善が期待できない人はおそらくプロジェクトやプロダクトの成功に興味がない人(技術だけに興味があるとか、自己顕示欲を示したいだけ、とか)。
チームや組織の成功とズレているメンバーはなるべく早めにチームから離れたほうがよい。

チーム内の評価基準

P221にチーム内の評価基準を「速」した話があった。(速い行動を評価するということらしい)
この「速」がよいかは置いておいて、評価される基準が共有できていて、皆のリアクションが見える仕組みが良いな、と思った。


まとめ

気になった箇所をメモしただけなのでまとめというのもアレですが、気付きが多かった本なのでたまに読み返してみたいと思います。

2016年のふりかえりと2017年の目標的なもの

2017年が明けました。
バタバタと過ごした2016年をふりかえり、2017年の過ごし方を考えます。
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2016年はどうだったのか

日々色々と記録を付けていた2016年、以下の結果でした。

運動とか

  • フットサル/サッカーをやった回数:36回
  • ジムで運動した回数:7回
  • ランニングした回数:11回
  • ゴルフの練習/コースに行った回数:2回

計56回は週1回のペースで運動したことになります。

  • サッカー/フットサル観戦:11回

スタジアムでの観戦は楽しい。もっと増やしたい。

読書:23冊

  • サッカー/運動関連:9冊
  • IT・マネジメント関連:7冊
  • その他ビジネス書:6冊
  • 小説:1冊

月に2冊ペースでした。
仕事が忙しくなると読むペースが遅くなる傾向にあり。
サッカーは戦術本と育成関連の本が多かった。

仕事はどうだったのか

2016年5月転職しました。
比較的大きな会社から小規模なベンチャーっぽい会社へ移りました。
組織の文化や仕事の進め方などは当然違いますし、必要なスキルセットも違います。
違いに戸惑いながらもそれを楽しみながら過ごせたと思います。

ただ目の前の仕事に追われ、煩忙が過ぎる日々となってしまう傾向にありました。
もう少し考えながら走ろう。

2017年をどうするか

Keep

  • 運動は週1回ペースをキープしたい
  • サッカー/フットサル観戦もキープ
  • 読書のペースのキープしたい。もうちょっと読めるかも。
    • 引き続きサッカーの戦術、育成関連の本がテーマ。
    • IT関連の本も増やすつもり。だけどITは本より実践に時間をつかったほうがいいかなぁ。

Try

  • 仕事に関するTry
    • やるべきことをしっかりやり、価値を出すことを意識しよう。
    • 楽しい仕事は楽な仕事ではない。楽なほうに逃げないようにしよう。
    • 個人のチカラを高める。身に着けるべきスキルを意識して仕事しよう。
  • 個人ふりかえり
    • 月に1回程度のペースで個人ふりかえりをやろう
    • たぶん仕事に追われてやりたいことができていないはず
    • 改善のフレームワーク(システム思考とか)の練習を兼ねて
  • このblogをもう少し更新しy(ry

まとめ

転職をし、様々な環境が変わった2016年でした。
環境に合わせてしまう面もあったので、もう少しやりたいことにフォーカスした2017年にしたいな、と思います。