Developers Summit 2013に参加してきました
イベント自体のテーマは「Enterprise」「Social/Game」「StartUp」の3つでした。
僕の個人的なテーマは「自分とは違う世界を見る」こと。
ということで、ゲーム業界、広告業界とかそのへんのセッションに狙いを定めました。
「Action! あなたは生き残れるか?、生き残るオレの Action! はコレだ(キリ」
http://event.shoeisha.jp/detail/1/session/59/
マイクロソフトの西脇資哲さんのセッションです。
様々なデバイス(Android, WindowsPhone, iPhone, iPad)とクラウド(SkyDrive)を使って、パワポを作成するデモでした。
- Android, WindowsPhone, iPhone, iPadで撮った写真をSkyDriveを経由してPC上のパワポに掲載。簡単にできる。
- OutLookから相手の状態を確認し、ビデオ会議。デスクトップ共有して資料の確認。
- Office365を使ってエクセルを同時編集。
- ホワイトボードに赤外線センサー的なデバイスをつけて、ホワイトボードでパワポを編集。これすごい。あまり使うタイミングなさそうだけど。
やっぱMSはすごい。SkyDriveは是非使いたい。現場がバラバラなウチの部で使うと便利なんだろう。だけどクラウドに会社の資料UPするのに抵抗ある組織だからなー。
とは言え、何かやらなきゃ何も起こらない。「やれるなら、やってみよう」
Webと自然科学の意外な接点、先端アドテクとの必然的な出会い
http://event.shoeisha.jp/detail/1/session/53/
サイジニア株式会社 吉井伸一郎さんのセッション。
話し手の経歴もなんかすごいのですが、セッションの内容もすごかった。
以下メモ。
- WEBの世界は「探す」から「出くわす」へ。
- 情報ネットワーク理論、自然科学の研究。
- 複雑な場では、構成要素の振る舞いと偏り、ダイナミクスにより自己組織化が産まれる。
- 自然科学では「指紋」と呼ばれる自己組織化が様々な分野で観測できる。
- 地震発生の指紋
- 経済/値動きの指紋
- 言語発達の指紋
- 都市化/過疎化の指紋
- 人気コンテンツの指紋
- インターネットはまさに複雑なネット―ワークの場である。
- WEB=Nature
- 広告技術に適用。
- 行動履歴をグラフ理論で分析する。
- 広告を出すターゲットは「場所(ポータルのトップページなど)」→「言葉(検索結果と連動)」→「あなた(人の属性)」に変わってきている。
- 特定の個人へのレコメンド広告は効果が高いが母体が小さい(反応のある人にしか遡求しない)
- 近しい人を見つけるシステム。
- 機械学習で継続的な精度向上を実現している。
- DataBase Scienceは分析する力→物事の背景を見る力。
なんというか圧倒的なプレゼンでした。こういった自然科学の話は好きです。
WEBやそもそもの業務でも自然科学の理論って活用できないものか。と感じました。たとえば業務フローの分析とか。
大規模スマートフォンサービス開発の世界 ~無料通話アプリcommの現場から~
http://event.shoeisha.jp/detail/1/session/38/
http://www.slideshare.net/ichitonagata/comm-16548273
DeNA 長田一登さんのセッション
リリースから急激に成長した「comm」の開発よもやま話でした。
- メンバーの数。5人(最初)→15人(開発中)→60人(今)
- プロダクトオーナー、スクラムマスターが瀕死なくらい多忙。
- 規模が大きくなった時にどうやって対応したか。
- Scrum of Scrumの導入。4チームにした。
- そのうちの1チームはテストチーム。自動化していなかったテストをひたすら自動化する。
- 専任のスクラムマスター2名を追加。
- テスト・バグの管理人を配置(テスト状況、バグ放置が改善)
- ユーザ数の急激な増加については、そもそも企画段階からもっと多くの人がアクセスしても耐えられるようなハード構成にしているので問題なし。
- アプリケーションのアーキテクチャは重要。
- なるべく疎結合、シンプルな作りにしてスケール可能なものとしている。(スケールする時の作業は極端に少なくなるように)
- 結合テストは難しい。特にUIまわり。
- 非同期処理、キューなど結合しづらいものも多い。
- Calabash, CucumberでUIテストを自動化している。
- ただし自動化がすべてではない。自動化はあくまで補完的な役割。
「大規模たれ」という話し手の言葉が印象的でした。
小さい規模では見えてこない問題は多くありますが、大規模を志向することで最初から問題に向き合える、と。
話し手は新卒2年目ということでした。責任を与える企業風土とそれを受け止める個人の力。すごいです。
Devlove HangarFlight -BlizzardSailing- に
知り合いに誘われ、流れのまま「Devlove HangarFlight -BlizzardSailing-」に参加。
TISの西新宿オフィス。
http://devlove.doorkeeper.jp/events/2506
川島さんのプレゼン
テーマは「これからの受託開発」です。TISの川島義隆さんから2つのプレゼンがありました。
- 「ふつうの受託開発チームのつくりかた」http://www.slideshare.net/kawasima/ss-15118922
- 「Code anything」 http://www.slideshare.net/kawasima/code-anything
これは僕が直面している課題でもあるので、非常に有意義なプレゼンでした。ありがたや。
僕のメモ。
- SI界隈では極論が多いのでは。
- 属人化がいいか悪いか。
- 自動化、コンポーネント化の是非(ファクトリー or 職人)。
- 普通の受託をするための「手塚モデル」。
- 漫画家のチーム(先生とアシスタント)。
- 人集めは組織心理を利用する。
- 人月商売をやっていると半人前の若手が余る傾向にあるので、集めやすい。
- 擦れていない若手のほうが、やり方を教えやすい。
- SIerはプロジェクトマネージャー不足。そこでその責務を減らすように役割を作る。
- プロジェクトマネージャー:お金の管理とか。
- プロダクトマネージャー:製品の品質に責任を持つ。
- アーキテクチャ、プロセスを変えない。シンプルなものを使い続ける。
- 評価の仕組みも考える。ゲーミフィケーションとか取り入れて業務に活かす具体的な評価ポイントを提示する。
- 「Jenkinsの設定ができる」「Mavenのpomを設定できる」とか、「DB設計ができる」とか。
- 「業務内」で習得、実践可能な項目で評価することで、モチベーションが保てる。
- 人が持って行かれる問題。
- 受託開発では案件の狭間が必ずある。
- 「ソリューションを売るチーム」に仕立て、チームをキープする。
- 売れる製品があればよいが、プロセスと生産性を売りにするようなものでもよい。
(ライセンスを明記すべき)
- オープンソースにすることで顧客が嫌がらない形態となる。
ワールドカフェ
7つくらいのテーブル分かれて、現場で直面している課題について対話しました。
まず僕は「プロジェクトが終わるたびに、チームが離散していしまう」をテーマとした場に。
そこではスキルの継承、チームビルディングについて課題があるよね、という話がでました。
様々なプロジェクトを数多くするあまり、個人のスキルも一貫性のないものになってしまう、という発言もありました。なるほどです。
課題が深堀されたところで席替えタイムです。各自の興味のあるテーマの場に移ります。
なんと、僕がいた「プロジェクトが終わるたびに、チームが離散してしまう」テーブルは誰もいなくなりました。
チームの離散を考えるチームが解散!!
そりゃ解決しないわ・・・(笑)
で、僕が移った先は「人の流動性問題(優秀な人ほど去っていきやすく、入ってこない)」のテーブルです。
- 人が入ってこない問題には、組織が何を求め、何を与えられるかをちゃんと示すべし。
- ただしハードルを高くしすぎないようにする。
- 組織が本当に求めている物は何か、を示せていないと超ハイスペックな人を求めるように見える。
- なぜ去っていくのか。
- 自分の求めていることと、組織が求めることのギャップ。
- 自分が求められているか。
- 辞める直前に親切にされても響かない(なんでもっと前から…と思ってしまう)
- 四半期に1度の評価面談では何もわからない。
- 普段の評価・フィードバックが必要。
感想
川島さんの話はとても参考になりました。自組織の抱える課題の方向性が見えてきた!
ワールドカフェは本当に様々な意見が出て、視点を変える訓練になりました。
そして同業他社の方で同じ悩みを持っている人が多く、仲間が増えたことが何よりの収穫です。
濃い一日
デブサミ から DevLove HangarFlight という濃い一日でした。
DevLoveの後の懇親会でも楽しい時間を過ごせました。
この一日で得たものをどうやって現場でActionしていくか考えていきたいと思います。