Agile Japan 2013に参加しました。
http://www.agilejapan.org/
サブタイトルは「ともに創ろう、日本のアジャイル!」
いいですよねコレ。熱い感じが好きです。ちなみに去年はロックンロールでした。熱すぎです(笑)
詳しいレポートは公認レポーターの方にお任せし、感想とかメモを書いておきます。
Key note #1 “Demand Technical Excellence” アジャイルにおける技術と品質の重要性
品質もちゃんと考えようぜ、というJames GrenningによるKey noteです。
- バグを消火するプロセス(Debug later programming)ではダメ
- 「バグの消火」は管理できない
- バグを出さないプロセスを考えるべき(品質の作り込み)
- 「テストをする時間がない」のではなく、「テストの時間を減らす」ことを考えよう
品質は作り込むものであり、バグは早めに発見できるようなプロセスとすべき。
スクラムはそのようなプロセスの弱みを見つけることができるフレームワークなんだから、弱みを直視して改善すべし、と。
アジャイル/スクラムをやるのが目的ではなく、問題解決をするのが大事なので、スクラムのルールに縛られることがないように。
Key note #2 柔軟心 (にゅうなんしん) と庭園デザインにおけるユーザーエクスペリエンス
建功寺住職であり、庭園デザイナーでもある枡野 俊明 氏よるKey noteです。
ソフトウェア開発にはまったく関わりのない升野さんですが、
庭園をデザインする時の仕事のやり方、禅の話、さらに日本のアジャイルにまで言及していました。
示唆に富んだ話が多く、さすが住職という話っぷりでした。
- どんな庭園を作りたいのか。顧客のヒアリングから奥にある期待(本当の要望や課題)を聞き出すことが大事。
- 「地心」(その敷地にとって最適な庭園はどんな感じのものなのか)を納得いくまで観察する。
- 本当の要望や課題と地心のバランスを考えてデザインする。
- モックアップ(仮石組)をやってみて初めて気づくことがある。
- 当初の設計通りにやってみて、改善点を見つける。
- コンセプトに沿って可能な限り変更に対応する。
- ディテールにこだわる、妥協せずに品質を考えるのが日本人の強み。
- 心を留めず、あらゆる角度から考えて改善していく。
- 「剣術」が禅を取り入れて「剣道」になった。技術に「思い」があること。
- 日本のソフトウェア開発は進化していくはず。「無常」(常に変化していくこと)が日本のアジャイルなのでは。
デザイン思考を始めよう ~初心者のための90分ワークショップ~
慶應義塾大学SFCデザイン思考研究会 ラーニング・ディレクターである柏野 尊徳 氏によるワークショップです。
ペアを組み、相手側が「最近誰かにプレゼントした」をデザイン思考プロセスを使って分析(?)し、問題の定義とそのソリューションを考えるワークショップでした。
実際に画用紙や紙コップ、紐、ペンなどでソリューションの製品を作り、ペアからのフィードバックを得ます。
ヒアリングから課題を見つけるのが難しかったです…。
デザイン思考は勉強中でして、とても興味深くワークショップを行いました。
受託でもデキるアジャイル開発
シーアイアンドティー・パシフィック株式会社の上田 善行 氏によるアジャイルで受託開発をしている会社の事例紹介です。
これはすごいです。
受託というか準委任契約なのでなんか言葉に違和感がありましたが、人を売るのではなく、「チーム」を売るんです。チームを提供するサービスですね。
顧客のビジネス課題を解決しようとすると、ウォーターフォールよりアジャイルに決まってます。
ただし、準委任契約だからといって開発側に責任が無い訳ではないですよね。
Ci&T社では、顧客と「スコアカード」と呼ばれるもので、ソフトウェアの指標を共有しています。
特に生産性(ストーリーポイント/人月)や品質、予測可能性などは契約時に顧客と合意するようです。
やはり何かしらの約束は必要でしょう。そこはソフトウェアベンダーとして良い提案ができるかどうかですね。
リーンスタートアップのキャンバス活用:日本の新規事業開発最先端企業リクルートキャリアでは
リーンスタートアップジャパンの和波 俊久 氏、株式会社リクルートキャリアの細野 真悟 氏によるリーンスタートアップの話です。
細野さんがリクルートの新規事業の失敗談(?)を生々しく紹介…。
(あまりに生々しいため、詳細は言えません…)
失敗の原因は、主にこんな感じだそうです。
- 最初に考えたビジネスモデルに酔っていた
- ターゲット(誰がいつ)が間違っていた(間違いに気づかなかった)
- ターゲットが持つ問題・課題もズレていた
失敗の後、リーンキャンバスに出会い、再度新規事業を考える日々だそうです。
リクルートの事業特性に合わせ、キャンバスをカスタマイズして使っています。
ツールは「使うだけ」じゃ何の役にも立たなくて、考えながら使うことが必要ですね。
- 事業のアイデアはその事業領域に詳しい人間じゃないと思いつかない。
- それは共感ができるから(詳しくないと共感できない)
- お客様に何度も真剣にヒアリングすることで思いつき力は向上できるのでは。
和波さんからは、以下の話
(メールとSNSやチャットでは伝わる早さ、返事の早さに差がある)
- 事業計画書→ビジネスモデルキャンバス→リーンキャンバス→リーンダイアグラム
- アーリーアダプターにどう使ってもらうか
- 自分たちの製品をどうやって見つけてもらうか
- どうやって代替手段から乗り換えてもらうか
- 「代替のものより、ちょっとだけ優れたソリューション」とするべし
全体を通して
実行委員長の西河さんの熱い感じが最高でした。
実行委員・参加者全員での「エイ、エイ、オー!」は素敵でしたね。
「日本のアジャイルをみんなで創ろう」という思いが全員で共有できたと思います。
It's our turn, We never walk alone.
さあ、現場で頑張ろうぜ。